安心・安全??
私は「日本人外国人問わず、安心・安全に暮らす社会を作る」ことをモットーにこれまで活動してきましたが、とある研修で「安心・安全ってどういうこと?」と尋ねられ、答えに窮したことがあります。この言葉は一見するとわかりやすそうで、でも実は文脈によって幅広く解釈されます。以下に整理してみました。
1. 物理的な安心安全
- 犯罪や災害が少なく、暮らしの中で危険が少ないこと。例えば、防犯灯がある、避難情報が多言語で提供されるなど。
2. 経済的な安心安全
- 生活に必要な収入や支援があり、生計が成り立つこと。雇用の安定や労働条件の改善も含まれます。
3. 制度的な安心安全
- 医療、教育、社会保障などの制度がしっかりしていて、困ったときに支援が受けられること。制度から排除されないことも重要です。
4. 心理的な安心安全
- 排除や差別を感じず、精神的に安心して暮らせること。「ここにいていい」と思える、周囲から受け入れられていると感じられる状態。
5. 社会的な安心安全
- 地域のつながりや支え合いがあり、孤立しないこと。例えば、隣人と挨拶を交わす、地域イベントに参加できる、など。
6. 文化的な安心安全
- 自分の文化や言語、宗教が尊重されること。文化的背景が違っても「自分らしく生きられる」と思えること。
このように「安心安全」は様々に解釈されますが、文脈によって重視されるポイントが違います。 たとえば、災害や交通事故対策の話なら「物理的・制度的」な安心安全が強調されますし、多文化共生では「心理的・社会的・文化的」な安心安全がより問われます。私の活動における「安心安全」は、単に「危険がない」という意味だけではなく、「この人と一緒にいて大丈夫」「ここにいてもいいと思える」という気持ちが生まれるような、関係性の中での安心安全がとても大切になります。